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昨夜遅くまで、ねむい中を頑張って講義を聞いた割には、朝あまり眠くなかった。ということは、自分では起きていたつもりでも、実は眠っていたんだろうか。
 「自然エネルギー100%の島・サムソ島」に行こうということで、8:30分くらいに、バスタクシーで宿を出た。予定では島の見学は午後になっているところをからすると、バスタクシーでもかなり時間がかかるのだろう。


 
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 熱心なスズキさんの「デンマークの環境政策」の講義が終わったのは、何時くらいだったろうか。話し始めてから2時間は経ち、10時をかなり過ぎていたのではないかと思う。
 その日が3月2日で、ツアー3日目ということは眠い頭で分かっていたが、とにかくスズキさんは元気で、熱心だ。環境政策というタイトルの講義ではあったけど、小生の記憶に残ったものは「人間」を中心とするものになっていた。
 それは、教育の大切さ。それも、自己表現とコミニュケーション能力の必要性。異文化と接するためには、二三ヶ国語は話せた方がいい。そして、人間の欲望を無視しての政策は、なかなか成功しないだろう、とのこと。
 デンマークでは、1997年に可燃物を最終処分場に埋め立てることを禁止した言う。「ゴミは資源」とした。埋め立てられないものは、どうするかというと、貯蔵することとなる。そして、再生可能エネルギーの導入。
 これは大変な変化だ。その大変な方向変換を成功させた国、国民はどんな人たちだろうか。デンマークは王国で、憲法で国教はキリスト教と定めている。
えっ、政教分離の問題はどうなるのか。中途半端な知識が頭の中で飛び交い、訳が分からなくなった。エネルギー政策とそれとは全然別なのか。しかし、とにかく環境政策は成功して、「環境先進国」になった。
 明日は、環境先進国でもそのモデルとも言える自然エネルギー100%アイランド・サムソ島見学である。


 
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「デンマークの環境政策」というタイトルは、なかなか興味深い。このツアーに参加した動機も、そのタイトルの周辺にあるのだから当然だよね。そうなんだけど、だからと言ってですよ、それを日中さんざん走り回って後の、それも夕食の後でするのは、ちょっと酷ではないかと思う。
 案の定、そう思うのは小生だけではないらしい。二十歳前後の学生でも、何人かは、講義が始まってすぐに、いろんな恰好でウトウトし出した。
 それなら小生もウトウトしていいだろう、という訳にはゆくまい!と、必死で睡魔と戦う。後から、同僚の丸山君にいわせると、その時の表情は”鬼のような形相”だったらしい。
 怪しげな十一人の聴衆を前に、スズキさんは淡々と、そして力強く語り続ける。
 ...環境政策は大きく捉える必要があります。それは、国民の健康管理のための政策ということができます。とくにデンマークは、大きな山も河川もないので、飲料水は地下水に頼らざるを得ず、生活の仕方そのものが、そのまま自分達の健康に返ってくるのです。地下水を汚す生活は、自分たちの体を汚すことなのです。...
《なるほど、普段の生活は、水の入った透明な容器の上でしているようなもんだな、その容器の水をまた使うことになる、か》。
 小生は必死の形相を意識しながら、スズキさんの講義の内容にイメージだけは反応していた。その後の話では、ふと、青森にいるおふくろの言ったことが浮かんできた。それは「あとから、という化け物はいながべえ〜」というものだ。
 ...家電や車を使い終わって、処分する時にお金を払うという仕組みでは、なかなか上手く行かない。捨てるものにお金を出すことになるから。ところが、捨てる時にお金が戻ってくる、というようにすると、上手く行くわけです。みなさんだって、そうではありませんか。これは、人間の当然の心情ですよね。...とスズキさんは言う。
 《廃棄物の処分費用を、あとから払うというのは、やっぱり人間にも妖怪にも無理があるということ。持続可能ではないということか》
 しんしんと深まる冬の夜、講義は続くのだった。(山沢)


 
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 フォルケセンターを後にする頃には、陽が傾きかけていた。
 我々がここから離れて行っても、今までそうであったように、それぞれの研究は続られるのだろう。この地のライフスタイルに合ったものが実用化できたら、市民の生活に取り入れられるだろう。その流れはできているし、実績がある。一個人の研究施設に人が集り、その成果を国が後押し、今では国全体に広まって分散型のエネルギー政策となっている。社会全体で、エネルギーの取り方が変った、という。
 電気が始めて自分の生活に入って以来、電力会社から送電線で送られてくるという、今の我々の形。ところが身近にあるもの・廃棄物を含め、それらを燃料とすることで、発電の現場がいたるところに出来るという形に変った訳だ。何十年も当然と思っているエネルギーの取り方が変えられるというのか。
 ユトランド半島を南下し、日没の弱い日差しを右頬に受けながら、そしてまばらに見える風力発電機を見ながら、フォルケセンターを想う。情熱の時を終え、静かに佇む老女優のイメージで想う。
 ああ今日は、よく勉強した。宿に帰ってゆっくり休もう。明日は、「自然エネルギー自給の島・サムソ島」の見学だ。
 ところがどっこい、『風のがっこう』でスズキさんと、今日の日はさようなら、と思いきや、自家用車でまた我々の宿まで来るという。夕食後、デンマークの環境政策の講義、だと。
 おお、モーレツ!(山沢)
 

 
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フォルケセンターの施設もかなり見せてもらい、ソーラーパネルハウスのあるところは、我々が入った入口に近かった。この後の見学が最後で、菜種油を絞る機械になっていた。その油で、車を走らせているという。
 家の軒ぐるりにソーラーパネルが貼ってあったり、ガラス管を並べそれに水を通しお湯を作ったり...それもこれもお日様の光と熱をいただいているという訳だ。
 しかし、そんな説明をしてもらっている時、ふと可笑しくなって来た。風、太陽、藻草、菜種..エネルギー源として使われているものは、そんなものばかりなのだ。一方には火力発電とか原子力発電など、仰々しく近代科学そのものといった設備がある。
 本当に、ここあるような施設で、一国のエネルギーが賄えるのだろうか?フォルケセンターの施設を見た人たちが、火力発電や原子力に、これらを置き換えようと本気で考えたというのか?
 電力会社、政治家、官僚...組織は同じようにあっただろうに。不思議だな。
 そんな思いを持ちながら、フォルケセンターを後にした。


 
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山荘のような入口を抜けて、さてさてと好奇心で歩いていくと、風力発電機のプロペラが両手を広げて、wellcome。そして、あの地下住宅に、藁住宅。案内してくれた研究者自身が取り組んでいる、藻による水質浄化。次は、藻による水質浄化を一階として、その上にさらに野菜や花を育てるスペースを二階三階と置いた、半透明なサッカーボールみたいなハウス。
それぞれの施設は、起伏のある原っぱに散らばっていてその間の移動は、雪道をブラブラ、ぺチャぺチャ話ながらする。歩きながらぼんやり考える....植物は土の中から芽を出し、大きくなり花を咲かせ、朽ちて土に帰る...太陽は昇り、沈んで夜になり、雨が降り風が吹く。そして、この雪か...生物の活動は、何かを摂り入れ何かを出す...。
いつも暮らしている所に研究施設を置く。いつも暮らしている所から研究を始める。季節の移り変わりでの変化はどうだろうか...。
このフォルケセンターは生活に密着した研究をしているのだ。それは、すべてか無かということにはならず、これ以上がだめならここまでは使えるという柔軟な技術を生むのではないか...。
そんなことをイメージしながら、幸い雪道を転ばずに、ソーラーパネルハウスに着いた。


 
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地下住宅!?

2006/05/08
その「山荘」に入ると、やっぱり中も山荘です。研究施設という感じの、圧迫感がないのです。圧迫されたい訳ではないけど、いかにも研究してますという権威のような、押し付けがましさ、冷たさがないのです。好きで、研究してます、そんな波動が説明してくれる研究者からも伝わってくる。言葉はもちろん分からないから、スズキさんが通訳してくれるんだけど、勢いのある口ぶりは最後まで変わらなかった。
 順ぐりに、風力や太陽光、麦わら住宅などを案内してくれるんだけど、説明してくれる彼自身の研究は、汚水の浄化に藻などの植物を利用するものらしいが、その番になった時は、一段と熱が入った気がした。
 彼の研究テーマに行く前に、えっ、これはシェルターかな、と思ってしまうような地下に降りて行く。と言ってもちょとしたスロープを下がるだけなんだけど、住まいは確実に土の下。地下住宅、ということか!と言って全部が土の中ではなく、窓もあり、外に十分視界が開けている。夏は涼しく、冬は暖かいように設計されているとのこと。
 小生の青森の実家は、夏は涼しく冬は寒い、だったなあ。やはり、工夫が必要である。ここでの成果を応用しなくては。(山沢)


 
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 コペンハーゲンから「フォルケセンター」を見ると、東から西に最大限走る恰好になる。デンマークは複数の島からできているが、コペンハーゲン自体のある島を横断し、その西にある島を渡り、その次がまた島と思いきや、そこがユトランド半島である。島ではなく半島なのだ。というのも、南下すると、ヨーロッパ大陸でありドイツとの国境になる。
 見学させてもらったバイオガスプラントは、その半島の北部にあるけど、「フォルケセンター」はさらに北にあるらしい。半島の北端地域は、いろんな形で海を囲っている。車で走ると、右に左に入江の感じ、感じと言うのは、凍っているらしく平らな雪景色なのだ。夏になれば、色とりどりのパラソルや花々で、カラフルな海岸線になるのだろう。
 ここが「フォルケセンター」です、と言われて駐車場に降り、あたりを見て、以外と拍子抜け。
 『環境先進国』への引っ張り役、国策をも動かし、国連にも認められて・・・・との説明を受けて、イメージではりっぱな研究施設が描かれてしまっていた。
 現実の風景は、原っぱの山荘。その周辺に散らばっている、ふるい風車や太陽パネルなどから、機械好きな人の山荘を思わせる。


 
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ユトランド半島を一路北上、と思いきや、ちょっと待った。
バイオガスプラント見学がありました。バイオガスと言っても、ここは個人養豚場です。そのプラントでどんな流れから電気と熱を生み出しているのだろうか。
畜舎から出た糞尿は発酵槽に送られ、そこで発生したガスはガスエンジンの燃料となり、発電機を回し、まず電気、その次は熱で温水を作る。電気は売電され、温水は畜舎や家庭用暖房として使われる。ガスを採ったあとの糞尿は、肥料となって農地に散布されている。
ここでも、「廃棄物は資源」という考えが形になっていた。
バイオガスプラントを後にしながら、車内で次に向かう「フォルケセンター」の概要を、スズキさんが説明してくれる。日本的に言うと、民間非営利自然エネルギー研究所、となる。そこは、人々が、これから自分の国に何が必要かとの目的意識から生まれ、そして国レベルで研究成果が使われて行ったとのこと。
楽しみになって来た。(山沢)


 
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コペンハーゲンの朝早く、ホテル周辺を散歩した時も寒かったが、この朝もさすがに寒い。凍てつく。あたりは夜の暗さで、人影がたまに近づくと、少し身構えてしまう。
 宿のスポーツセンターは、小さな町にあると見えて、あたりを注意深く見ながら歩いても、町外れらしい区切りにすぐ着いてしまう。
 適当に、そして道を迷わないようあちこちしていると、通りに面して暖かそうな明かりが、ポッツンと見えた。近ずくと、そこはパン屋である。いろいろなパンが、ウインドウの内側にあったかそうに盛り上がっている。そんなパンの山がひとつ、ふたつ、みっつ。 店の人と、お客らしい人がいる。
 なんとなく佇んで中を覗き込いると、『マッチ売りの少女』の絵本の表紙が浮かぶ。そうか、ここはアンデルセンの国、デンマークなんだね。夜明けが待ち遠しい。
 今日の予定は、あのフォルケセンターの見学だ。(山沢)


 
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